工事担任者 取得の道しるべ
                                            
※非定期に加筆更新しています。 
     
     念のため,  再読み込みをしてみてください!
(はじめに)
   受験方法や受験科目などについては,市販の参考書や電気通信国家試験センター(Web)を参考にしてください。
   ここでは,『電気通信技術の基礎』の攻略方法について(順次)紹介していきます
   

 『 電気気通信技術の基礎 』 DD1種
問題2の(2)の既出問題パターンの概要把握と攻略方法の研究


 トランジスタ回路   
初版 2016/12/29
改版 2020/12/05
 
 問題2の(2)の既出設問パターンの概要把握

    H24年以前の既出問題を掲示している貴重なサイトがありました・・・過去問題集へ勝手にリンク

 出題者の意図:
    トランジスタ回路に関する最も基本的な力(意外と実際的な実力要素)を評価しようとしている。

   その根拠は⇒トランジスタ素子による直流増幅の基本中の基本を理解していれば
   簡単な四則計算で回答ができていまいます。

   どのパターンも,基本さえマスターすれば,サービス問題に見えるはず。
   この分野は確実に得点しましょう。


問題2(2) で出題された「トランジスタ増幅回路」の設問パターン分析表です  
R03 R02 R1 H31 H30 H29 H28 H27 H26 H25 H24 H23 H22 H21 H20 H19 H18
#2 #1 #2 #1 #2 #1 #2 #1 #2 #1 #2 #1 #2 #1 #2 #1 #2 #1 #2 #1 #2 #1 #2 #1 #2 #1 #2 #1 #2 #1 #2 #1
例1

例2
例3
例4
例5
例6
例7

以下に示した各パターンの回答法は見るだけで理解したつもりになると思いますが,
そのレベルは受験1ケ月前(最低1週間前)までに到達すべきレベル。
このレベル(合格率50%弱)で安心してしまうと,科目合格するまでに2回とか3回の受験が必要になります。

残した仕上げ期間で,
 回答と検算を短時間で済ませる力が本当についているか,筆算での実力確認を繰り返し行ってください。 
 これができていないと,
 そこそこの回答力あるのに試験場で時間切れという残念な結果となります!!

加筆:2020/12/09 次期試験までの健闘を祈ります
例1
出題履歴
R R2 R3 VCC VBEIB IB⇒IC
H31#1 100Ω 2.4KΩ 4KΩ 20V 特性図2 特性図3    初めに抵抗R1,R2によるベース電圧を計算したあと,
   特性図を用いて,
   ベース電圧⇒ベース電流
   ベース電流⇒コレクタ電流
   特定したコレクタ電流ICから,CEを求めるもの。               
   ※コレクタ側の負荷抵抗Rの値が3KΩあるいは4KΩ
    の違いだけで,他の抵抗値や電源電圧は全く同じ。
H29#2 100Ω 2.4KΩ 3KΩ 20V 特性図2 特性図3
H28#1 100Ω 2.4KΩ 4KΩ 20V  特性図2  特性図3
H23#1 100Ω 2.4KΩ 4KΩ 20V  特性図2  特性図3
H21#2 100Ω 2.4KΩ 3KΩ 20V 特性図2 特性図3
H20#1 100Ω 2.4KΩ 3KΩ 20V 特性図2 特性図3

(H28#1 問題2 (2) )


   @ 回答の流れを見据える
       VCEを求めるには,Iの大きさがわかればよい ・・・ VCE=VCC−R*I
       Iの大きさは,図3の特性図あるので,Iがわかればよい
       Iの大きさは,図2の特性図あるので,VBE(=R1の端子電圧)がわかればよい

   A VBE=VCC/(R2+R1)*R1   ・・・・・ 抵抗R1とR2を流れる電流を求め、それにR1を掛ける式 
         =20/(2400+100)*100      R1とR2を流れる電流に比べIは桁違いに小さいので、
         =2000/2500               BEを求めるにあたっては,Iを無視してよいことから
         =20/25                   この単純な求め方でよい
         =4/5                    
         =8/10
         =0.8 (V) ・・・・・・・・・・・過去6回 R1,R2,VCCが全く同じ・・・結果して毎回 0.8V・・・あはは
                                        抗値を変えて出題されることも
                                        想定して,必ず検算してください!

   B 図2により, VBE=0.8〔V〕のときのIを求める ⇒ I=40〔μA〕 とわかる
   C 図3により, I=40〔μA〕のときの Iを求める ⇒  Ic=4 〔mA〕
   D VCE=VCC−R*I
         =20〔V〕- 4〔kΩ〕*4〔mA〕
         = 4〔V〕


         
例2
R02年度第2回に出題された問題パターンの過去出題履歴を調べてみました
V1 B
RB VBE hfe - IC RC
VCE
VCE 灰色で網掛けしたパラメータは一切用いず,
答えを暗算で答えれるサービス問題。
正弦波の振幅電圧とはサインカーブの
どの部分の電圧かはしっかり,抑えておこう。

入力
振幅
電圧
ベース
バイアス
電源
ベース
バイアス
抵抗
ベースエミッタ
間電圧
直流
増幅率
電圧
増幅率
コレクタ
電流
コレクタ
負荷抵抗
コレクタ
エミッタ間
電圧
コレクタ
電源
電圧
R02#2 40mV 明示なし なし 不明 不明 求める値 図2,3 明示なし 図3 8V
H19#2 50mV
H18#1 40mV 図-3,3からVCEの出力信号の振幅が2Vを求め、
入力電圧との比(増幅率)が50倍にたどり着く流れ

ヒント1:
  正弦波信号の振幅電圧は中心から山までの
  電位差。
  VCEでの振幅電圧は
      4Vを中心に±2V振っているので
      振幅電圧は2V
ヒント2:
  2V=2000mV
  よって,電圧増幅率=2000mV/40mV
               =50 (倍)

H18#1






例3
H25#2

 出題履歴:H25#2
     ベースバイアス抵抗Bが省略 されており,実用回路からほど遠く,
     何をさせたいのか?な回路ですが,
     試験問題としてはアリ。
 
     過去1回しか出題されていない,
     シンプルなサービス問題。 驚かずに淡々と解いてください。

     3つの特性図を用いて,VCEを求めさせるもの。
     
      BE ⇒ B 特性図2 ・・・・ベース電圧から,ベース電流を特定
      IB  ⇒ C 特性図 3 ・・・・・電流増幅率      ベース電流から,コレクタ電流を特定 
        
CE ⇒ C 特性図4 ・・・・・これは動作可能範囲を示しているだけなので,使用しません! 
   
     コレクタ電流がわかったので
      Rの端子電圧は,2kΩ×I=2000Ω×2mA=4 V
      VCE=VCC−4 =8−4 =4 (V)

  
例4
 
 
出題履歴
RB VBE hfe Vcc RC Ic  VCE
R01#2 - 25μA - 80 18V 4KΩ ×hfe 求める値
H30#2 - 25μA - 100 18V 4KΩ
H29#1 - 25μA - 80 18V 求める値 10V
H27#1 -  25μA - 80  18V  4KΩ 求める値
H25#1 -  25μA -  100  18V  4KΩ
H23#2 -  30μA -  100  18V  4KΩ


 【重要】基本中の基本問題です 
      の値が示されているので,回答は比較的容易。

 【回答の流れ(H29#1以外)】
      @コレクタ電流I を求める
      Aコレクタ側の負荷抵抗Rの端子電圧(ドロップ電圧)
        求める
 【回答の流れ(H29#1)】
      @コレクタ電流I を求める(hfe=80の場合) 
         I = I×hfe  
           = 25μA × 80 
           = 25μA ×80
           = 25×4×20 μA
           = 100× 20  μA
           = 2000      μA
           = 2 mA    
                無理しなくていいですが,できれば暗算で答え
                筆算で検算するくらいだと,いいですね
      Aコレクタ側の負荷抵抗Rの端子電圧は VCC-VCE=8 (V)
      B負荷抵抗RCを求める
         R=8 (v)/ 2×10-3 (A)
           =4 (KΩ)
 【重要】 CE =cc
      CE  = cc −
       この変換が万が一?なら,迷わず誰かに聞いて理解要。
       疑ってすいません・・。
 【重要】μAとmAの換算、1Vを1mAで割ったら1KΩ、この辺は
      計算せずとも頭に浮かぶレベルになってください(必須)。
      時短回答力・検算能力の元

加筆:2020/12/09
例5


 
B RB VBE β VC RC CE
H30#1 2V 30KΩ 0.8 V 100 9V 1KΩ 求める値
H28#2  2V   30KΩ 0.8 V 100  8 V  1KΩ
H26#2 2V  30KΩ 0.8 V 100  9V  1KΩ
H24#2 2V  30KΩ 0.8 V 100 9V  1.25KΩ

   【重要】 与えられたBE(ベース・エミッタ間電圧)は
       ベース・エミッタ間のPN接合(=ダイオード)の
       順方向電圧降下であることは理解しておくこと。
例6
     出題履歴:H27#2 を求める問題
            H26#1 RBを求める問題
 
考え方の流れ
  @ IとhFEから,ベース電流Iを求める 
  A このベース電流Iとなる,VまたはR
    値を求める。
    この際,VBEが0.3Vであることから,
    V=R×I+VBE となることに留意。


  

B RB VBE hfe VC RC
H27#2  求める値  25 kΩ 0.3 V  25 不明 不明 5 mA
H26#1 5.3 V 求める値 0.3 V  50 5 mA


 【重要】 与えられたBE(ベース・エミッタ間電圧)は
       ベース・エミッタ間のPN接合(=ダイオード)の
       順方向電圧降下であることは理解しておくこと。

 【重要】 出力側(右側)から入力側(左側)の条件を算出する
         この問題も柔軟に解けるよう取り組むこと。
例7 トランジスタ回路  (勉強 3日目)
問題2の(2)の設問パターンの概要理解
     エミッタ接地回路(電流帰還バイアス方式)・・・

     出題者の本気度が見える(実用回路に近い) ⇒ 例年に比べ回答率が低かったのではと思われる設問。
     基本原理が理解できていれば,難解な問題ではない。

     理解できなくとも,まずは見慣れてください。
     電流帰還の意味わからずとも解けます・・・余裕ある方は電流帰還の意味調べてみては・・。


 

               出題履歴: H24#1 
                       H22#1 まったく同じ
                       H20#2 まったく同じ

    B=20μA 直流増幅率β=49
                 C = β×B 
              Iβ+1 )×B =1000μA = 1mA  ・・・・E
                  ×    =1 
     

         
    
200μ,VBE=0.6V
                 BE
                     = 0.6V+1V  
                     = 1.6V
                 R =
                         
 1.6V/200μA  ・・・・この先の計算の仕方は各自工夫の余地あり
                     =  0.008 MΩ             自在に計算できるようなってください。
                     = 8KΩ
        

参考書にはあまり見かけない・・基本中の基本

    電気系の図面(電子回路・論理回路・強電系の各種図面)は一般に
      信号や電力の流れを左から右に描きます。(一部,強電系で上から下に向かって描く場合もあり)
      したがって,信号は左から入り⇒右方向に進み出力されるように描きます。
      この常識に反した,図面を実際の仕事で作られると,読み手側が大変苦労します。
      勘違など読み取りミスの原因になります! 
      



    

 即解解説・・・(準備中)


初版 2012/12/29 22:57
改版 
トランジスタ回路  よく使われる記号の 補助解説です。

 E,I,Aの意味(⇒勝手にリンク) 

  VBE   ベース・エミッタ間の電圧
          入力特性図(I〜VBE)より求めさせる設問
          0.8[V]といった数値で示している設問などあり
   V
CE   コレクタ・エミッタ間の電圧(VCE=VCC−VRc
   VRc   コレクタ(負荷)抵抗R
の端子電圧
   V
CC  電源電圧(コレクタ側電源電圧)
   V
   電源電圧(コレクタ側電源電圧)
   V    出力電圧(Voutの略),右上の図ではVCEが出力電圧。
   V
    ベース(バイアス)電源の電圧  

   I   ベース電流
   I   コレクタ電流(I=I×hfe)
   I   エミッタ電流(I=I+I

   R   ベース抵抗
   R   コレクタ(負荷)抵抗
   R1〜3 単に,抵抗1番目〜3番目という命名のしかた。   
   R   
   R   
   R   

   hFE  直流増幅率(hFE=I/I, I=I×hFE) 
         エミッタ接地の回路では,ベース電流がベースからエミッタ方向に流れるとともに,
         そのhfe倍の電流がコレクタからエミッター方向に流れます(NPNトランジスタ)。
         従って,エミッタには I×(1+hFE)の電流が流れます。
         この点に注目した設問もありました・・例)hFE=49・・⇒ I=50×I

      入力特性図(VBE⇔I) 出力特性図(IB⇔IC
                     ↓これ,hfeを示しています。 
                       VCEは Vcc−Rc×Icとなります。
      



トランジスタの電流増幅動作イメージの体感しよう
 2SC1815 のhFEほか測定例

 2SC2334 のhFEほか測定例
                                          
       トランジスタの直流増幅をイメージしやすくする教材として,
       9Vの積層乾電池を使い,I=20μA固定で被測定トランジスタのコレクタ電流Iをメータ表示する
       hFEチェッカーを作ろうと思ってWeb検索・・・・したら,


       ワンチップマイコン制御で動く本器(amazon 送料込みで2,890円)を見つけ衝動買い。
       FET,ツェナーダイオード,ダイオード,LED,コンデンサ,抵抗,インダクタも計れる優れもの!
                                                           (記2020/07/04)

  
       こちらは,気をとりなおして,手抜き試作した,アナログメータ型 簡易hfeチェッカー。
           
             フルスケール200μA(内部抵抗1.5KΩ)の電流計に分流抵抗をつけて
             ⇒フルスケール10mAとし, コレクタ電流Icを測定しています。
               Iは,20μA流れるようなバイアス抵抗をつけています。

             
                測定中のトランジスタは 2SC839     
                   I = 2.8mA を指しているので
                   hfe= 140  (ちなみに,TC−1での測定結果は138でした)
                                                  (記2020/07/05)
 

             

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工事担任者 取得の道しるべ

著作権情報
初版     : 2016/12/29
最終更新日 : 2020/12/09

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